当店の個別の商品ページでは、コーヒーの品質に関して数多くの説明を行っています。その中には一般にはなかなか馴染みがないものも含まれています。ここではコーヒーの品質を説明する際に使用される項目の解説を記載いたします。
焙煎度合い
一般的に焙煎が浅いものは酸味、フルーティーな香りが強くなります。かなりの浅煎りの場合、渋みが感じられます。反対に焙煎が深くなると酸味が減り、相対的に甘みやボディが強く感じられる場合が多いです。フルーティーな香りは浅煎りよりも減りますが、ナッツ、チョコレートのような香りが増えます。かなりの深煎りの場合、苦みが感じられるようになります。
焙煎度合いと対応する品質表
より詳しくはこちらの表をご参照ください。ただし、実際には豆により品質の特徴は異なります。
カッピング
評価項目一覧(計5項目)
Flavor Intensity (フレーバーの強さ) 1~5点
Flavor Complexity (フレーバーの複雑さ) 1~5点
Body Intensity (ボディの強さ) 1~5点
Acidity Intensity (酸味の強さ) 1~5点
Sweetness Intensity (甘みの強さ) 1~5点
当店では上記の項目について1~5点の5段階で評価します。
またコメントとして以下の要素に言及します。
アロマの特徴(ベリー系、柑橘系などの質的特徴)
フレイバーの特徴(ベリー系、柑橘系などの質的特徴)
上記の評価項目の補足
クリーンネス(雑味のなさ)
アフターテイスト(余韻)
マウスフィール(口当たり)
etc
より詳しいカッピングの考え方につきましてはこちらを御覧ください。
当店におけるカッピング基準
標高
生産地の標高は高いほど、味が凝縮されたコーヒー豆が採れると言われています。標高が味を決める全てではありませんが、一般的に1000~1300メートル以上が、高品質のコーヒー豆と言われることが多いです。
品種
コーヒー豆の品種詳細を記載しています。コーヒーにはアラビカ種とロブスタ種が有ります。アラビカ種は味は良いが病気などに弱い品種です。ロブスタは病気に強く様々な環境に適応可能な反面、苦味がきつく品質ではアラビカに劣ります。また価格もアラビカ種に比べて安く売られています。スペシャリティーコーヒーにロブスタが使われることはあまりありませんが、イタリアンスタイルのエスプレッソなど、苦味を強調したい場合にブレンドされることがあります。アラビカ種には以下のような品種があります。
ティピカ・・・中南米由来のアラビカ種の中で、最もベーシックな品種。
ブルボン・・・ティピカにくらべ甘みがより強い品種。この中でも様々な品種がある。
カツーラ・・・ブルボンの変異種で酸味が良質。低温に強い。
ムンド・ノーボ・・・ブラジルで広く栽培されるティピカとブルボンの交配種。味はティピカに似る。
カツアイ・・・ムンド・ノーボとカツーラの交配種。味はブルボンに近い。ボディが弱い。
ケント・・・ティピカの変種。
ティモールハイブリッド/ティムティム・・・ロブスタとティピカをかけ合わせたもの。病気に強いが味はアラビカにやや劣る。
カティモール(コロンビア)・・・カツーラとティモールハイブリッドをかけ合わせたもの。病気に強い上、味も良い。
ティピカ系、ブルボン系、その2つの交配種が最もメジャーなアラビカの品種と言えます。大雑把に言えばティピカはバランスがとれた味わい、それに対しブルボンは甘味が強く、交配種は二つの中間的な味と言えます。ここに上げたのはごく一部で当店では更に多くの品種の豆が日々入荷しております。
しかし品種によりある程度の味の傾向はあるものの、「この品種だからこんな味だろう」と想像できるほどのものではありません。カツアイやティモールハイブリッドについてはネガティブな印象を受ける場合もありますが、プロセス次第で美味しく仕上がる場合もあります。
プロセス
コーヒー豆は「豆」と呼ばれていますが、実際にはアカネ科の「コーヒーノキ」の果実内部にある種子になります。プロセスとはコーヒー果実の処理工程のことです。大まかに言えばコーヒー果実は収穫のあと、果肉を取るための水洗→発酵→乾燥→種皮の除去という工程をたどりますが、以下のように様々なプロセスが存在します。
ウォッシュド・・・コーヒー果実を水洗することで果肉を取り除き、天日乾燥後に種皮を取り除く。雑味が減り、クリーンな味わいになる傾向がある。水洗後に一定時間おいて発酵させる。その後乾燥前にもう一度水洗される場合が多いが、されないものもある。
ハニープロセス・・・水洗の際に、種皮の表面についたぬめり(ムシラージ)を残し、発酵させるものをハニープロセスと呼ぶ。ムシラージの量によってイエローハニー、レッドハニー、ブラックハニーと呼ばれることもある。
Wet hulled・・・インドネシア式とも言われる、インドネシアで主流の処理工程。水洗で果肉を除去、乾燥させた後、種子の水分保有量が多い状態で種皮を取り除き、そののちに乾燥させる。味の傾向としては酸味が抑えられ、コクが強くなる。ナチュラルプロセスとして作られることもある。
嫌気性発酵・・・発酵をポリタンクなど酸素に触れない状態で行う。それにより嫌気性の酵素が強く作用し香りが強くなる。近年の手法。
インフューズド・・・オークバレルなどで行い香りを移したもの。近年の手法であり定義はいまだ曖昧。
生産者
生産者の歴史、活動について記載。
フェアトレード認証
フェアトレード認証や有機認証の取得状況、その他の栽培状況について記載。
当店ではFLO(フェアトレード・ラベル・ジャパン)の認証を受けた製品を販売しています。
FLO認証ラベル
FLOの認証製品を販売するためには、コーヒー豆の輸入業者及び製造業者もFLOの 日本支部(フェアトレード・ラベル・ジャパン)に登録する必要があります。当店もFLOに登録を行い、コーヒー豆1キログラムの販売につき35円のライセンス費用と、年間登録料を支払っています。また販売記録を提出し、取引の透明性を確保しております。
フェアトレードについてより詳しくはこちらを御覧ください。
エシカル・フェアトレードについて
有機栽培、オーガニック、無農薬栽培など
有機栽培により育てられ有機JAS、もしくはUSDA(アメリカ農務省)の有機認証を取得したコーヒー豆を取り揃えております。USDA有機認証を得るためにはアメリカ農務省の制定した厳しい有機栽培基準を満たす必要があります。環境や人体への影響が大きいと考えられる物質を栽培に使用することはできません。また日本の農林水産省も、日本の有機規格である有機JASとUSDA有機認証との同等性を認めています。
その他無農薬栽培など、認証を得ていない場合の生産状況についても記載しています